そのひとのめ

なんとなくの毎日を、書きたいときに、書けるだけ。

北方行って奇譚 -4-

↓ みっつめ

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昨晩も、少し雪が降ったようだった。

玄関前の雪かきを済ませて、コーヒーをすする。

心なしか、昨日よりも暖かい気がした。慣れたか(そんな適応性は持っていない)

 

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内側の結露が凍っていないので、たしかに昨日よりは暖かいようだ。

少し冷めてきたコーヒーを飲みほす。

少しぼうっとしてから、初日に登れなかった天狗山に登ることにした。


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初日に行ったように、ロープウェイの山麓駅までは歩いて行ける。

初日にはなかった雪が歩道を埋めていて、職員の方が除雪機で歩道の雪をかいていた。

 

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歩道はほとんど歩けない。

この坂はロードヒーティングがあるので助かった。

 

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山麓駅に着く。

今日は下りの便が昼過ぎに終わるそうなので、早めに頂上へ向かった。


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夏場には頂上へ車でも登れるが、今の時期は当然通行止めになっている。

ロープウェイにはスキーの板を担いだ乗客が数名乗っており、スキーのリフトはロープウェイの駅からさらに上にある。

スキーヤーの数名と別れて、人気のない天狗茶屋へ向かう。

 

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茶屋には当然人影もなく、雪に包まれた独特の静寂があたりに漂っていた。


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「暖かい飲み物」をひとりいただく。

雲の隙間から差し込む日差しが、ときより眼下の町を照らしていた。


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遠方には、石狩の新港が見える。


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目を凝らすと日和山灯台とニシン御殿も確認できた。

冬場は行けるのかわからないが、祝津方面にはまた行ってみたい。


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さすがに寒くなってきたので、室内でアイスをいただく。

かりんとうは数年ぶりなように思う。溶けたアイスにふやけて、おいしかった。


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屋上の展望台へ上る。


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市街を一望し、少し浸る。

風が強く、私がいた間にはだれも登ってこなかった。

かじかむ指を温めようとしたが、なかなか熱量が足りていない。

下りの最終便が迫っているのもあって、早めに駅に向かった。


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ロープウェーからバスを乗り継いで、小樽の駅に着いた。

駅の壁面には北一硝子のランプがつるされている。


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駅前からは他方へバスが走っているが、余市方面のバスにはまだ乗ったことがない。

この時期でなくてもよいが、この時期でないと見れないものもあると思う。

廃隧道などは、雪があるうちに行きたいものだ。


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南口を出て、船見坂へ向かう。

途中のこ線橋で、氷網を感じる。


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市内の坂の中でも駅に近く、「初級者向け」とのことで少し上ってきた。

フェリーが抜けるのを見れたら、坂の名前と相まっていいかもしれない。

 

船見坂の頂上から、西へ向かう。


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階段だったと思われる。

歩いた跡があったが、おそらく猛者に違いない。


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現役だろうか。灯るところを見てみたいものだ。


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急坂。リッジレーサーを感じる。

ロードヒーティングは、本当に欠かせない。


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だんだんと日が暮れてきた。


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手宮線の脇を抜けて、駅へ戻ってきた。

雪がちらついているが、気になるほどではない。

ずっと歩いていたせいか、体もそこまで冷えていなかった。

 

駅からはバスに乗って、部屋まで戻る。

国士無双を片手に、家でゆっくり飲むことにした。

入浴後、アルコールと疲労による心地よいまどろみの中、少し椅子でうとうとしてから、眠りについた。

 

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