夜だから空は見えないけれど、地中の管の中を滑る電車は、心なしか窮屈に感じます。
地下鉄で通学していた高校時代は地中に潜るのが新鮮で、ドアが開いたときに感じる駅ごとの匂いやわずかな登り勾配、ポイント通過の揺れなどが、不思議と強く印象に残っています。
社会人になってから乗ってみると、駅の名前は言えないまでも音とか匂いとかはなんとなく覚えているもので、発車メロディを口ずさみながら生ぬるい空気を感じて、少し口元が上がったりして。
どっかに繋がってそうなわくわく感と、どこまでも潜らされそうな不安感に振り回されながら、雑踏から逃げるように今日も地下に潜ります。
空に落ちるより、地下に翔んだほうが向いてるんじゃないか。
どちらでも受け入れるけど、願わくば、そこが穏やかなところでありますように。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
行き先は、どこだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー