そのひとのめ

なんとなくの毎日を、書きたいときに、書けるだけ。

お仕事小路

最寄駅で、ホームに降りた。
正月からずっと天気が良かったから、雲の多さが少し気になる。それでも日差しは十分だ。
改札を抜けて、南口に向かう。途中にある地下鉄の改札は、今日も人が少ない。地上に出てくるには、まだ早かったのかもしれない。
バス停に、バスがちょうど来ている。走れば乗れそうだ。こういうときの思い切りばかりが、僕の人生で際立っている。
15分ほど揺られて、家の近くのバス停に着いた。初詣は済んでいるけれど、目の前の神社に気持ち会釈をしながら、信号を渡る。
こういうときの不必要とも思われるような真面目さも、時折際立つ。そういう真面目さを見てくれる誰かに、すがってるのかもしれない。報われたことがあるのかどうかも、よくわからない。
バス停から歩いてすぐのところから、またしばらく通うことになる。
休みが終わるというのに、妙に落ち着いた心が社会人を気取って、ため息が出そうになる。ため息はいけないという誰かの教えが、すこし頭をよぎった。
家の扉を開けて、部屋の空気を吸う。年末年始をここで過ごした分子たちが、少し笑っているように思える。
同情するなら、軽く時間でも戻してほしい。
年末と言わず、もっと前にでも。
明日からまた忙しくなるけれど、大丈夫か。お前は。
急に不安になってきた自分を、社会人的に押さえつけにかかった。
仕事についてから、自分が増えたような気がする。
幸せな自分だけ、選べたらいいのに。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

f:id:geo-koshi:20200105133242j:image

きっとまた会えるって。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー