そのひとのめ

なんとなくの毎日を、書きたいときに、書けるだけ。

ウィンク・サーモ

久しぶりに雨を見た。

真冬の寒さはひとしきり峠を越えて、少し生ぬるく感じる湿った風がどこか懐かしい。

学生のころ感じていた季節感は、ある程度の自由に時間的な限りがあることと、当時からすると「妙な」大人になってしまうことへの焦燥感にぼくを気づかせてくれた。

季節を意識するようになったのは、いつ頃からだっただろう。

小学校のときのひらがなの多い国語の教科書と、中学校の部活帰り、初めて通学で乗った電車に、はたまた身近な人の去り際。

思い出はいつも季節とあって、それでいて残るのはいつも時間ばかり。

そのとき咲いていた花や自身の触覚と知覚は、幾度も同じ季節が訪れるうちに埋もれてわからなくなってしまった。

元来、振り分けホルダが4つしかないんじゃソートもろくにできない。上書きされないことが、唯一の救いか。媒体の劣化も甚だしい。

好きな季節はある中で、なんだかんだで今にない季節を求めがち。

もうすぐ桜が咲くけれど、さらにもう少ししたら、また雪が見たくなるんだろうな。

次の季節を羨みながら、終わる季節にも目配せを。

色フィルタとか、片目でできたらおもしろいのに。

 

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温室はどっちだ。

(未来と芸術展、とても良かったです。)

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